(電子工作)
 
 
 車載時計 2010年12月

 
 
 自作オートバイメーターのLCD表示の一部に時計を表示させたいと思ったが、メインキーをOFFしても低消費電力モードでPICを動作させる必要があり、簡単に出来そうにもない。
 安い防水時計を買って、適当などこかに貼り付ければ簡単だが、せっかくなのでメーター内に収めたい。

 
   
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 秋月電子通商で「リアルタイムクロックモジュール」
 というものを見つけた。
 \500/個

 カレンダー時計専用ICで
2線で通信可能なようだ。
 消費電力も少ない。 (330nA=
0.00000033A)

 2線通信がうまくできるかどうか不安があったが、
 なんとか出来た。
 基本のソフトが出来たので、時間データーをPICに
 取り込んで、LCDに表示するのは難しくない。
 
    [ 設計仕様 ]

 ・リアルタイムクロックモジュールの時刻書き込みは、それ用の基板を作成し、部屋で時刻設定を行う。

 ・時刻調整後、そのリアルタイムクロックモジュールをメーターにセットする。
  メーターでは「時」、「分」表示のみとする。 「+」、「-」ボタンは設置しない。

 ・もし時間が気になるほど狂った場合は、メーターからリアルタイムクロックモジュールを取り外し、
  部屋で設定し直す。
  (冬仕舞い期間を除き、4月〜12月までどれくらい狂うだろうか?!)

 ・キーOFF時の電源は、電気二重層コンデンサーまたはリチウム電池でバックアップする。
  少なくても2週間以上は保つようにする。

 
 
時刻書き込み用基板 回路図

 
   
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 [ 表示、操作仕様 ]
 ・LCD上段…PIC電源ONからの経過時間
 ・LCD下段…現在時刻
 下右から
 ・赤ボタン…ゼロ秒リセット
 ・緑ボタン1…1分マイナス
 ・緑ボタン2…1分プラス
 ・青ボタン1…1時間マイナス
 ・青ボタン2…1時間プラス
 ・黄LED…1秒毎に点滅
 
 
基板修正

 
   
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 ・リアルタイムクロックモジュールのプルアップは
  設定(ハンダショート)しなかった。
  PICからプルアップするつもりだったので。
  しかし、RAピンは内蔵プルアップが無いことを
  忘れていた。

 ・リアルタイムクロックモジュールにバックアップ用の
  外部電池を接続するが、そこにダイオードが必要に
  なる。しかし、ダイオードは電圧降下があるので、
  PICの供給電圧と差が出てしまう。
  それで元の方にダイオードを付け直した。
  しかし、リアルタイムクロックモジュールのデーター
  シートをよく見直すと、0.5Vまでの電圧差は大丈夫の
  ようだ。ショットキーダイオードであれば0.2〜0.3Vの
  電圧降下なので、実機では回路図の接続方法で
  ショットキーダイオードを使用することにする。
 
 
経過時間表示

 
     ノーマルのデジタルメーターには時計が内蔵されていた。しかし、バッテリーの消費が心配だったので、時計のバックアップ電源線をカットして使用していた。
 メインキーをONすると時計が動き始めるのだが、キーをONする度に0時0分から始まる。
 当初は使い物にならないと思っていたのだが、意外と使えていた。乗り始めてからの経過時間が分かるので、家から○○まで○○分かかるとか、2時間走りっぱなしなので、そろそろ休憩しようかなど。

 それで、自作メーターにも経過時間表示をすることにした。

 時間のカウント方法についていろいろ考えたが、簡単でてっとり早い方法として、PICの内蔵RCオシレーターを利用することにした。
 参考として、その他の思い付く方法
 @リアルタイムクロックモジュールの1Hz発振出力をPICに取り込む。
 APICを4.194304MHz水晶で動作させる。
 BPICのセカンドオシレーターとして32.768kHz水晶を付ける。

 内蔵RCオシレーターだと精度と安定度が低い気がするが、時と分の表示のみで、秒は表示せず、長くても4時間までカウントしないだろうから、多少の狂いはOK、目安になればよい。
 プログラムから内蔵RCオシレーターを微調整できるようになっているので、それを使用して、4.194304MHzに近づけることをやってみる。

 内蔵RCオシレーター微調整は最速で11111(10進で31)までの調整設定ができる。
 しかしそれだと早過ぎるので少しずつ下げてみると、
 01110b(10進で14)だと10分で約3秒早い。
 01101b(10進で13)だと10分で約1〜2秒遅い。60分で計測してみると8〜9秒遅かった。
卓上テストだと4.19MHzに最も近いのは01101b(10進で13)という結果だった。
7時間としても1分未満の狂いなので、目安として十分使用可能である。
 あとは温度の影響がどれくらいあるのか?低温時が大きい気もするが、それについては実践で確認することにする。

[ 個体差 ]
 内蔵RCオシレーターは1個ずつ異なるはず。特にロットbナ変わるのではないか?
 微調整値をおなじ値(01101b)にして計測してみた。

 結果
 0821G17…最初にテストしたもの。 1時間で8〜9秒遅れ。(2時間で16〜18秒遅れとなる。)
 0949B7Y…1時間で約2秒遅れ、2時間で4〜5秒遅れ。

 ※室温でのテストだが、0949B7Yはなかなか良い結果が出た。そのチップを使用することにする。

 時刻設定・表示プログラム…【 RTCM_SET.src 】 (42.7KB)
 表示のみのプログラム…【 TIME_V2a.src 】 (18.6KB)


 
   
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 現在時刻を設定してから車体にセットするまでの間、
 ほんの少しの電源が必要である。
 小型で高容量のものを探したところ、
 「
電気二重層コンデンサー0.22F3.3V」を見つけた。
 秋月電子通商で1個100円だが、4個だと200円。(1個あたり50円)
 外形:φ6.8x2.6mm ピッチ:約2mm

 元電圧は5Vで使用するので、2個を直列に接続して、分圧使用する。
 1個あたりの負荷は2.5Vになるはず。

 5V充電状態から放置し、24時間経過後でも電圧は2V以上あったので
 十分である。
 
 
時間精度 2012年12月

 
    2011年春にオートバイに実装し、2012年12月まで無調整で使用してきた。21ヵ月で約2分半進んだが、まーまーの精度かな。
やはりメーター内に時計があるのはとてもよい。
1年に1回くらい校正するのがよいのだけど、メーターを分解する必要があるのが面倒かな。

 
                             
 
 
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