(電子工作)
 
 
 デジタル温度センサーLM70 2010年12月〜

 
 
オートバイの油温を表示したい。
以前付けていた、デイトナのデジタルタコメーターには温度表示機能が付いていた。暖機運転の目安になり便利だった。
その時の最高温度は120℃くらいだったので、温度センサーの仕様として、
150℃以上欲しい。
目安程度の使用なので、正確なものは必要ない。それで当初はサーミスタを考えていた。しかし、サーミスタは温度により抵抗値が変わるというものだが、比例じゃないようで、イーカゲンな表示に製作してしまいそうな気がする。
それで、デジタルで150℃対応で入手しやすいものを探したところ、ナショナルセミコンダクターのLM70を見つけた。
-55℃〜+150℃を計測可能。

しかし、通信方式はDS18S20と異なり、 + と GND の他に3本の線を使用する。
通信タイミングも簡単ではなさそうだが、今までの経験上何とかなるだろう。

なお、分解能は10bitもあるが、12bitのLM74もあった。値段に大差はなかったが、データーシートをよく見ると、LM70は高温域の精度が+3.5/-2℃だが、LM74は±5℃だった。

 
   
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 LM70

 マルツパーツから通販購入
 LM70CIMM-5/NOPB
 \273/個

 うっ、小さい!ヤバイ、ハンダ付け出来るだろうか?!
 LM74の方はハーフピッチ(1.27mm)のようなので
 買い直そうか…。
 いや、よく考えると、使用しないピンが3本ある。
 ピンを開いたり、カットしたりして何とか出来るだろう!
 
 
2012年12月〜

データーの取り込み方法が分かった、簡単!

 
    そのうち暇な時にでもと思っているうちに2年も経ってしまった。 今冬こそ使えるようになりたいと思い、仕様書を見直してみると、ふと気付いた。
なぁーんだ、簡単じゃん。 デジタル温度センサーやリアルタイムクロックモジュールと比べると、とても簡単。
線が多い分、ソフトは簡単に済むようだ。
5V電源とGND以外の3本線の役割はおよそ次の通り。

・CS…通常はONにしておき、温度データーを取り込む前にOFFにする。
・SC…温度データーは1ビットずつ取り込むが、これをON・OFFするごとに1ビットづつ送られてくる。
     仕様上の最短間隔は 0.00000016 秒だが、PICの4MHz動作とした場合、1命令は0.000001秒なので、
     気にしなくても大丈夫だ。
・S I/O…上のタイミングで、5Vまたは0Vになる。

温度データー読み出し最初のビットは、マイナス温度かどうかの判定用。
・0…0℃以上
・1…0℃未満

次のビットは、上位ビットから順に入ってくる。 温度値データーとしては10ビットあるが、小数点データーは不要なので、最初から数えて、9ビットを読み出した後は、CSをONにして温度データー読み込みを終了する。

たとえば「123℃」の場合、最初の0の後、1111011(2進数)のデーターとなる。

「マイナス12℃」の場合、最初の1の後、11110100(2進数)のデーターとなる。
マイナスの場合、そのまま10進数に変換すると、244(10進数)となるので、
0-11110100 を行ってから10進数に変換する。 1100(2進数)となり、正しく表示できる。

 
 
チップのハンダ付け

 
   
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 ソフトをどうやればよいか分かったので、早速接続して表示
 してみよう。
 チップはどこだー、あった!うっ、こんなに小さかった?
 やばい、目が遠目気味だ。

 なんとかハンダ付け出来た。
 実は、これは2個目。
 1個目もハンダ付け出来たのだが、雑に扱っていたところ、
 チップの根本で端子が1本折れてしまい、パー。
 
 
温度表示テスト

 
    PIC16F690とVFDの組み合わせで表示させてみた。 ソフトは簡単に作成することができ、すんなり表示できた。
室温 「024」 ℃が表示された。 精度は悪く無さそうだ。っていうか、まーまー良い。

今度は100℃以上表示するかテストだ。 少し離してライターであぶってみる。 どんどん上がっていき、130℃を超えたところで表示が変になった。 あれっ、配線のハンダが融けて外れてしまった。
ハンダを付け直して、今度は11Wハンダごてを付けてみる。 なかなか上がらない。 チップの予備はもう無いので、ほどほどにしておこう。
次にマイナス表示テスト。
アルコールの洗浄スプレーを数回吹きかけると、 「-08」 ℃が表示された。 その後はゆっくりと1℃くらいずつ上昇し、 「024」 ℃になった。 とりあえず成功だ。 嬉しい!

後はLM70を埋め込む金具を製作して、実践テストだ。

 
   
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 VFD中央上段はDS18S20、

 VFD中央下段がLM70表示。
 
 
車体への取付金具製作 2014年 5月

 
   
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 オイルフィルターの下に栓があるので、それに
 埋め込むようにアルミ(A2017)でプラグを製作し
 た。
 
   
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 充填剤は電子部品用の
 サンハヤトの
 固まる放熱用シリコーン
 を使用した。

 エルパラから通販購入した。
 920円

 使用温度範囲は
 -40〜150℃
 
   
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 プラグはアルマボックスでアルマイトした。
 アルマイトは電気を通さないので、穴の中でショートする心配が
 なくなった。

 シリコーンを充填して固まるまで数日放置した。
 シリコーンはチューブから絞り出す時から思ったより粘度が高く、
 扱い難い。
  ↓
 固まった後、プラグの根本付近の配線を曲げてみたところ、シリコーン
 は簡単に亀裂が入った。思っていたより弾力が弱く硬い感じ。
 
   
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 水が浸入してショートするかもしれないと心配になったので、
 セメダインスーパーXで表面を覆った。
 セメダインスーパーXは弾力がある。
 
    2017年
 実際に使用しての温度は、ツーリング巡行で70〜80℃くらいだ。
 気温がやや高めの時に、埋まりそうになって、ふかし気味で100℃を少し超えたことが1度あった。
 デイトナの温度計の時はどうだったか覚えていない。 (センサー取付場所は同じ)
 精度確認は簡単にできそうにないので、正しい表示だと信じることにしよう!
 なお、始動前のキーオン時は、外気温計とほぼ同じ値を示すので、ちゃんと働いていることは確認できる。

 
                             
 
 
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