(キャンプ)
 
 
 圧力ミニ飯ごう バージョン1 2009.02.07

 
 
 最近はコンビニで、ご飯だけ売っている。おにぎりを買っておいてもよい。そう考えるとわざわざ1人分のご飯を炊くのが面倒になる。失敗するとちょっと困るし。
 しかし、キャンプイコールご飯を炊くという構図がある。(^_^;)

 じょうずに炊くには、30分以上水につけておくのがよいらしいが、いつも忘れてしまう。食事の用意をしようと思ってから(思い出してから)30分も待つのはイヤだ。
 ある日、圧力鍋のチラシ広告が目にとまり、ご飯も早くおいしく炊けると書いてある。TVの電気炊飯器CMでも、圧力だとか厚釜とかやっている。
 水蒸気を圧力で芯まで浸透できれば、事前の水につける30分を省略できるかもしれない。また、設定圧力到達後、すぐに火を消すことにより、焦げ付きを防止できるかもしれないと思い付いて、1人用圧力ミニ飯ごうを作ってみることにした。

※ミニとはいえ、高温高圧なので少々危険が伴う。もし破裂したりすると大変なので、細心の注意が必要。
  確実な安全弁を取付しないと安心できない。

 
   
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 容器は肉厚3mmの一般配管用材料で、
 外径76.3mm(65A)を使用。

 材質はSUS304という一般工業用ステンレス。
 18%クロム、8%ニッケルの主成分で、
 18-8ステンレスのスプーンと同様なもの。

 底はキャップという一般配管既製部品。

 フタはA5056のアルミと
 A2017のジュラルミンで製作。

 溶接は知人のプロに、アルゴン溶接でやってもら
 った。


 欠点は少し重たいところ。 約850g。
 
   
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  いつもはミニ飯ごう容器のままいただくのだが、
 これは、コッヘルに移した様子。
 (レトルトカレー時)

 焦げは、いつもこれくらい。
 
 
炊き方とポイント

 
    1. 米(無洗米)100mlと水110mlをミニ飯ごうの容器に入れる。

  計量容器はペットボトルを切ってマジックペンで印を付けたもの。
  ミニ飯ごう容器の中に、ちょうど収まるのでよい。

  (米100mlは僕の1食分として、ちょうどよい量。)

2. フタを閉め、30分以上放置する。

3. 中〜強火で火にかける。

4. 炊圧0.15MPaで消火。

5. 消火してすぐに、ミニ飯ごう容器を横倒しにする。

※その後、横倒しにする必要がないことが分かった。
 横倒しにしない方が、焦げは少ない。 (2014年 1月追記)


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6. 圧力が0.1MPaまで下がるのを待つ。

7. 容器を水につけ、水冷にて圧力をゼロに下げる。
   または自然放熱で圧力がゼロになるまで待つ。

8. 炊きあがり。フタを開けて食べる。

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    ※ 何回も炊飯テストを行い、おいしく炊くには30分以上つけておくのが重要だと分かった。
   当初は炊圧を上げることにより同じ結果を得られると考えていたが、炊圧を上げると、米が分解して
   しまい、ねっとりと餅になる少し手前の感じになる。
   炊圧が低いと、芯が残る感じで、ふっくらと炊けない。

   最近は事前につけておくことを忘れなくなったので、このまま問題無く使用しているが、真空により、
   30分の時間を短縮することを考え中。
   そのテストの途中経過は 【 こちら 】

※ 火にかけて少し経過すると圧力計が上昇するが、それは空気膨張によるもの。水蒸気が発生するまで
   加熱しないと温度不足で失敗する。(芯が残る。)

※ 消火後、ミニ飯ごう容器を横倒しにすることにより、水分ムラが改善される。
   (下方が水分多めの傾向になる。)

※ 消火後、強制的に圧力を開放しても良いような気もするが、それで問題ないのか、はっきりさせるテスト
   まではしていない。

   今までのテスト状況は 【 こちら 】

 
 
 
 
炊飯合数と水量について 2014年 1月追記

 
   
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    電気炊飯器を買った。
無洗米用の計量カップが付属していたので、100mlの容量で何合なのか確認してみた。

結果→ 約0.5合だった。

あれっ、意外に少ない。 家での晩飯は0.75合(3/4合)なので少し少ないかな。

次に水量について、電気炊飯器の釜目盛の量は多いことが分かった。 米容量の約1.5倍強の水量である。
開発中の圧力ミニ飯ごうは、エコ炊飯であることが分かった。


それから、0.75合を開発中の圧力ミニ飯ごうで炊いてみたところ(水量は約1.1倍)、容器いっぱいに膨らんだ。
今度は、もう少し大きいものを製作することにする。

 
 
 
 
工作編

 フタとパッキン

 
   
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 フタ気密の問題

 フタの構造をどうするか、フランジ式にしようか悩ん
 だが、当初は開閉が簡単なネジにした。

 また、フタのパッキンは使用しないつもりでいた。
 メタルタッチでも、精度良く製作することにより、気密
 を保てると思っていたから。

 しかし…、空気入れテストで漏れた。
 当たり面をきちんと磨いてもダメ。
 しょうがないのでパッキンを使用するとにした。
 
   
 飽和温度では、ゲージ圧0.2MPaにて133.5℃になるはずなので、普通
のゴムだと耐熱が心配。

 そこで、テフロンのパッキンで試してみた。
 テフロンは200℃くらい大丈夫なはず。(使用圧力にもよるけど)
 とりあえず1.0mm厚で、空気入れテストをやってみたところ…漏れた。
 今度は2.0mm厚でやってみたが漏れる。
 逆に薄い方が密着するのかと思い、0.3mm厚も試したが漏れる。

 試しにゴム1.0mm厚でやってみたところ漏れなかった。
 ゴムを2.0mm厚にしてみると1.0mmより弱い力で閉めても漏れない。
 そのことよりパッキンの弾力性が必要だと分かった。


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     ゴムのパッキンは、ホームセンターで買ったゴムシートから切り出したもので、耐熱性は不明。
 他の名案がなかったので、ダメかもしれないけど、そのゴムパッキンで炊いてみることにした。

 ところが1.0mm、2.0mm共に、大丈夫だった。何回も使うとダメになるかもしれないが、とりあえずは圧力を保持して炊けた。


ネジ式フタの問題

 ネジのピッチは1.5mmにして、雄ネジ径は容器の外径にした。
 しかし、テストしてみると大きな問題が1つあった。
 それはフタを強く閉められないこと。ゴムパッキンでも握力だけでは気密を保てず、20cmくらいの棒でトルクをかけて開閉する必要があ る。

 余談だが、炊く前に1度「カジリ」が発生した。ネジのガタを少なく製作していたが、開閉途中で固着したような感じになった。浸透油を使用して、なんとか外すことができたが、もし現場でカジリが発生した場合は、どうしようもなかっ ただろう。それでフタを苛性ソーダに浸けて減肉させてみたところ、ネジのガタが多くなり、その後のカジリは発生していない。

 
   
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 しばらくそれで使用していたが、ネジ式をフランジ
 式に改造する方法を思い付いた。

 容器から作り直すとすると億劫だが、ネジフランジ
 だけだとそれほどでもない。もし失敗しても、すぐに元
 に戻せる。

 写真は製作途中だが、旋削加工とドリル下加工が
 終わったところ。

 フタの外径はφ95mm。机上ミニ旋盤のチャック仕様
 を超えているが、チャッキングして削ることができた。
 
   
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 なお、素材は、有限会社メックテックというところから通販購入した。
 アルミ太丸棒の品揃えが多く、安価に切り売りしてくれるので助か
 った。

 A2017ジュラルミンφ90x10mmLが810円、
 A5056のアルミφ95x12Lが819円だった。
 端面を少し削れば外形が整うから作業時間の短縮になった。
 
   
フランジネジとパッキン

 フランジの締め付けネジは、M5を6本にした。8本にするか迷ったが、少ない方が締め付けの手間が少なくて済むはず。
 結果として3本で問題なかった。
 間の1本を間引きして3本で、自転車の空気入れを使用して気密テストをしてみたところ、0.3Mpaでも漏れは無かった。
 もしかして、対角の2本だけでも良いかも?と思い、テストしてみたが、空気漏れがひどく、まったくダメだった。

 ※これからは1本おきの3本で締め付けることにする。手間と時間が半分にな る。


 パッキンは今まで使用していた2mmtのゴムパッキンを入れてみたところ、フランジの締め付けネジが、ぐいぐい締められる。ゴムがかなりつぶれていくよう。緩めに締めても漏れ ないいが、締め付けの感触が分かり難い。

 試しにパッキン無しでの、メタルタッチでやってみたところ、少し強めに締め付ければ、空気入れテストでは漏れなかった。しかし、実際に熱がかかるとどうなるか分か らなく少し心配。
 それで,ネジ式ではダメだったが、0.5mmtのテフロンを使用することにした。
 もちろん、今回のフランジ式であれば漏れない。

 
 
安全弁

 
   
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 圧力調整弁と安全弁の問題

  ホームセンターで売っている圧力鍋の見本をよく見ると、圧力調整弁
 はオモリ式だった。ただし、最高使用圧力は小さいようだ。

 圧力逃がし穴は、小さいと詰まる心配があるのと、加工のしやすさを考
 え、3.0mmにした。
 それを0.2MPa(約2kg/cm2)の圧力で計算すると、141gでつり合うはず。
 
   
 141gのオモリだと、鉛でも大きいので、バネ式にすることした。
 ホームセンターでちょうどよさそうなステンレス製のバネを買った。
 それを電子秤上で指で圧縮し、140gになる寸法を測った。
 圧力調整はバネ上のワッシャーで行う。
 設定圧力が上げるには厚いワッシャーを入れる。

 安全弁も同じ構造で製作し、ワッシャーは0.5mm厚くした。

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 当初、弁の先端は60゚の円錐メタルタッチにした。

 気密に問題があり、ほんの少しジワジワだが漏れ
 る。あたり面をコンパウンドで摺り合わせしてしたが、
 完全に止まらない。

 よく考えると円錐形状がダメかもしれない。
 芯がピッタリと出ている必要がある。

 実際の炊飯では、ほんの少しのリークであれば問題
 ないようだ。
 
   
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 気密テスト用バルブ

 自動車のチューブレスタイヤ用バルブを取付して、自転車用空気入れにて、
 フタ、圧力逃がし弁、安全弁の事前テストを行った。
 
   
圧力調整弁の改造

 円錐形の弁の場合、ご飯の糊成分がシール材になるためか、漏れないこともある。
また、漏れたとしても、ほんの少しなので、気にならない程度。漏れ量よりも、蒸気の発生量がかなり多い。

 
   
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 しかし、ボールの弁なら良いかもしれないと思い
 付き、インターネットで検索してみると、弁用途での
 使用例(ライブスチーム)が見つかり、早速それを通
 販購入してみた。

 有限会社 舟辺精工から
 @5/32(3.96mm)ステンレス球(SUS304)50個と
 A5/32(3.96mm)クローム球(SUJ-2)50個で
 送料込みで2,100円だった。
 
   
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 玉は窪みを作って、セメダインスーパーXで接着した。

  早速、自転車の空気入れを使用して気密テストをしたが、僅かに漏れ
 る。凹側の当たり面をコンパウンドで磨いてみたが僅かに漏れる。
 
   
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 凹側にテフロンを埋め込んでみたところ、漏れは止まった。
 テフロンの軟らかさと弾力が効いたようだ。
 
 


 
   
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 底は球状なので自立しない。

 平板を溶接しよう(してもらおう)と思ったけど、ツーリングバックへの
 収納を考えると、分離式が良さそうかな。

 平板はステンレス製だけど、それの接続をアルミで製作したところ、
 ガスコンロの熱で溶けかかってぐにゃぐにゃになった。
 その後、接続丸棒をステンレスで製作し直した。
 
 
その他

 
   
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 ←1食分100mlごとにマジックペンで印を付けた平ペットボトルの
  米入れ。

 便利だと思ったけれど、食べても収納容積が減らないのが欠点。
 米はチャック付きポリ袋に入れるのがよい。

 なお、米100mlの重さを量ってみたところ、85gだった。1kgの袋買いだと
 約11食分ちょっとになる。

 茶色の四角いのは、ミガキロンZというスポンジ状のヤスリ。ミニ飯ごう
 容器を洗うのに良い。食べ終わった後の、ぬるぬるを洗剤なしで手早
 く落とせる。
 最近は流行のメラミンフォームを使用しているが、安価で良い。
 
 
ミニ圧力計 2011年 4月

 
   
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 調圧弁を製作して圧力計を取り外すそうと思ってい
 たが、いまだに調圧弁を製作していない。

 圧力計はエアー機器用のもので、空気圧テスト時
 に使用するつもりだったのが、付けっぱなしで、しか
 もちゃんと使えている。
 圧力計があると分かりやすい。
 
    ある時、ミニ圧力を見かけ、検索すると0.4MPaの良さそうなものを見つけた。 (購入価格は2千円くらい)
写真左が今まで使用していたもので、直径約38mm。

 
   
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 2011年 9月

 ミニ圧力計が壊れた。
 0.1MPaまでしか針が回らない。文字盤が微妙に変形している。

 分解してみると、プラスチックの部品が、熱でダメになっていた。
 
                             
 
 
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