[過去参考ページ] |
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エッチングパターン図を普通のトナー式コピー機で透明シートに印刷し、それを生基板にアイロンで転写する方法。 いろいろと試した結果、なんとか実用できそうなので掲載する。 ただし、かなりファジー的コツが必要。 それと2.54mmピッチのラウンド間にパターンを通すような、精密パターンには対応できていない。 |
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<写真
200x200 JPG 14.5KB> |
←製作中のB4テスト基板の裏面で熱転写後の状態。 基板サイズは、85mmx85mm。 |
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使用材料&道具など |
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・転写用シート サンワサプライのインクジェットプリンター用ホワイトフィルムラベルの裏透明シート。品番:JP-TA04FN (シートは手近にあったもの数種類試したが、この裏シートが1番きれいにできた。ちょっともったいないが。) ・コピー機 CANON/NP6250 (このコピー機でしか試していないので、他メーカー、他機種だとどうなのか分らない。) ・アイロン ラジコン飛行機の被覆フィルム張り用、OK模型のVIPアイロン。(最高目盛り温度は220゚C) ・生基板 秋月電子通商から購入したベーク両面。 |
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手順 |
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<写真
200x200 JPG 5.05KB> |
1.生基板を所定寸法にカットして、洗っておく。 (ピカピカに磨く必要はない。) 2.ホワイトフィルムラベルを最高温度でアイロンがけしておく。 (これをしておかないと、後の作業でのアイロンがけのときに少し 縮むので、精度が悪くなってしまう。) 3.パターン図をホワイトフィルムラベルの裏面にコピーする。 4.ホワイトフィルムラベルの表ラベルを剥がす。(左写真) (透明シートのパターン図ができる。) 5.透明シートのパターン図を生基板に位置合わせして、 アイロンを最高温度で、空気たまりができないように、中央から端へ 滑らせるように押し当てていく。 生基板の下には、できるだけ平らで厚い木板(合板)を敷くとよい。 (熱は下へかなり伝わるので。) |
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<写真 200x200 JPG 12.2KB> |
6.だいたい定着したと思われるところで、更にまんべんなくアイロン がけするが、ここが最大のポイントとなる。 温度が低いと、きれいに転写されない。 適度な温度でも1点を押圧し過ぎると、トナーが「ベチョッ」と つぶれたようになり、パターンがくっついてしまう。(左写真) 家庭用アイロンを使用した場合は、押圧加減がわかり難いせいか、 こうなる傾向が強い。 失敗覚悟でコツをつかむしかない。 |
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<写真 200x100 JPG 7.92KB> |
トナーが熱で融けることにより転写されるので、ある程度のつぶれは、しょうがないと思
う。また、後記する2層ずれの問題もあり、左写真のように小さな文字と枠線は細かいのでくっ付いてしまっている。 この方式の限界かもしれない。 |
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<写真 200x200 JPG 7.02KB> |
7.熱が冷めるのを待ってから、フィルムを剥がす。 ←トナーが薄っすらと転写シートに残る程度ならOK。 しかし、コピー機で印刷した時のトナー定着具合にもよると思うが、 完全ベタにはならず不十分。 8.さらにもう一度、2層にするような感じで重ねて熱転写すると 黒々と良い感じになる。(このページ1番上の写真の状態) ただし、コピー機の印刷精度(歪み)や転写シートの縮み具合が 異なるためか、ピッタリとは重ね合わない。 多少は我慢する。 9.転写後、転写面をライターなどで、かるくあぶると、より定着する。 あぶり過ぎると、銅箔が剥がれて浮き上がってきてしまうので注意。 |
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10.よく点検して、多少のエラーなところがあれば、レジストペンや針などで修正する。 ※失敗した場合、トナーはラッカーシンナーで溶けたので、基板を再使用できた。 ※両面パターンの場合は、アイロンがけする時に、基板下にシールの裏台紙(一般的には薄黄色のツルツルした感じのあれ。)等を敷いてお く必要がある。そうしないと、始めに転写したトナーが、受け木台の方に転写されてしまう。 |
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参考(失敗例など) |
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・最初に思い付いて試したのは、薄銅板に直接コピーして、それをベーク板などにエポキシ系接着剤で貼り付ける方式。0.1mmの薄銅板はホームセンターで入手した。裏のり付が余計だったが、ラッカーシンナーで溶かし剥がして、いざコピー。(はがきサイズ手差し) しかし、コピー機内でジャムってしまう。普通紙の紙厚は0.1mmくらいあり、はがきだと0.2mmくらいなので、問題なくできると思ったのだが甘かった。柔軟性がないとダメなよう だ。レーザープリンターやレーザーFAXCOPY機も試したが、100%ジャムるし、トナーがきれいに乗らない。 ・熱転写方式で最初に試したシートは、一般的OHPシート。コピーは問題なく出来たが、アイロンを当てた瞬間にシートがグニャグニャになってしまい、まともに貼り付けられる状態では ない。 ・次に手近にあったエプソンインクジェット用OHPシートを使用してみた。これは熱に強いようだ。ただし裏表があり、どちらの面にも問題なくコピーできるが、印字面側は水に溶けない特殊な何かがコーティングされており、部分的にそれまで転写されてしまい 、エッチング不良部ができるのは明白。 |
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<写真 200x200 JPG 9.42KB> |
・今度はその裏面を使用してみたが、きれいに転写できない。 ←は転写後のシートの状態。 しかし、もう一工夫すれば、なんとかなりそうな気がした。 ・そこで転写時にフィルムから剥がれ易くするために、コピーする前に フィルム面に何か塗っておくことを考えた。 ↓ ・グリスを薄く塗ってみたが、コピー機でのトナー定着不良でダメ。極薄く塗って、まともにコピーできたが、熱転写後の状態は大差なしで意味なし。 ↓ ・水溶性のコーティング剤として、木工ボンドを水で1.5〜2倍くらいに うすめたもの、でんぷん糊、やまと糊、合成糊を試してみた。 刷毛や指塗りにて。 |
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その考えは、トナーとコーティング剤ごと基板側に転写し、後で水洗いしてコーティング剤を除去し、トナーだけを残す。 それぞれの詳細結果は割愛するが、いずれもきれいに剥離できず、部分的な転写不良も発生し、何も塗らないのと大差がなかった。(合成糊が1番まとも だったが。) 参考として、コーティング剤塗りムラの厚いところはパターンの潰れになる。また、部分的にだが、コーティング剤ごとうまく転写できたところでも、トナー定着が基板側ではなく、コーティング剤側に付いているところがあり、水洗いすると流れてしまって意味が ない。 ※転写シートが硬めだと、基板のわずかな歪みの凹み部や、シートの熱歪で浮いてしまうというか密着しないところがあり、その部分が転写不良になるのだと予想 する。 理想的な転写シート材としては、コピー機でのトナーのりが良く、熱に強く、伸縮せず、伝熱性が良く、柔軟でトナー剥離性の良いものということにな る。 ・その他にも、トレーシングペーパーを使用した熱転写も試してみたがまったくダメだった。くっついた紙を水洗いで除去しようと思ったが、濡らしても簡単に剥がれ ない。ゴシゴシ擦ったら、トナーもいっしょに剥がれてしま う。バーナーであぶって燃やすことにより、定着しながら除去できないかとやってみたが、紙が浮き上がりながら燃えるのでダメだった。 |
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まとめ |
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なんとか実用できるかなという程度。 |
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ミニアイロン |
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<写真
200x200 JPG 5.80KB> |
←こんなコテ先も製作してみたが失敗。 23Wのハンダゴテだが、温度が高過ぎてシートが穴明きとおもいきや、すぐに熱を奪われてしまい、今度は温度不足となり不安定。 |
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ホワイトフィルムラベルの裏透明シート不調 !? (2002.02.23) |
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手持ちのホワイトフィルムラベルが無くなったので購入し、B4基板を作ろうとした
ところ、縦方向の縮みが大きすぎてうまくできない。大きめの丸が楕円になるほど。 ホワイトフィルム製造で仕様変更があったと思われる。 |
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