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 夜間自動点灯センサーLED灯 2008年 2月

 
 
 道東の日没は早い。冬至近くでは、16時過ぎに真っ暗になる。
 夕方〜夜帰宅したときに、自動点灯で鍵穴周辺を照らすLEDを製作することにした。

・LEDは人センサーを使用して自動で点灯するようにする。

・電源は電池を使用する。

・cdsを使用し、周囲が明るいときはLEDを点灯しないようにして、電池の消耗を防ぐ。

・制御はPIC10F200(ワンチップマイコン)で行う。


 
  人センサーの選定

 MPモーションセンサーを使用。
 低消費電力タイプで、電源電圧はDC2.2〜3.0V。
 消費電力は平均46μA、最大60μAの仕様。


電池の選定

 設置する場所は玄関フードの中だが、夜間は外気温と同じになると思われる。
 すなわち最低気温はマイナス15℃くらいだと予想する。

 乾電池の使用可能な最低温度をインターネットで検索したところ、SANYOのニッケル水素電池
 " eneloop "がマイナス10℃ OKという資料を見つけた。
 単3タイプでMin容量は1900mAhあり、自然放電量が少ないようなので、それを使用 してみることにした。

 人センサーだけの消費電流で、とりあえず60μAで1年間の使用電流を計算してみると、
 0.00006[A]x24[h]x365[日]=0.526[A]
 LEDが点灯しなければ、電池容量の半分も使用しないので、1年以上保つことを期待する。


 
  回路図

GIF 350x300 16.9KB


PICは10F200の米粒タイプを 試用。

 そのため、実行基板上でプログラムを書き替えできるように端子を設ける。


cdsの感度調整は分圧抵抗式。

 実装して試した結果" 3.3kΩ "がちょうど良さそうという結果になった。


LEDの昇圧回路は
 "テント用LED常夜灯"と同じ。
 今回はLEDに15mA流す設定として、
 1.5kΩの抵抗を使用。
 
 
JPEG 300x225 15.4KB


基板実装状態

 米粒PICを使用したためか思っていたより小さくまとまった。


プリント基板パターン図
 pdf形式 153 KB…【ダウンロード 】

 両面基板用として、はがきサイズに4枚分描いてある。

 実装面のみの片面基板でもよいが、がっちり付けたい部品は、裏面からもハンダ付けしておくのが良いので、単純な対称パターンで裏面も作成したもの 。
 
   MPモーションセンサーとLEDは、向きを曲げ調整出来るように、長めの線にしてある。
 線同士がくっついてショートしないように、熱収縮チューブを被せた。

 
 
JPEG 200x150 8.91KB


" PIC10F200 "大きさ比較写真。

 左の白いものは、北海道産"ほしのゆめ"普通の大きさの米だが、PICの方が小さい。50円玉の穴にすっぽり入 る。

 PIC10F200-I/OTは、秋月電子通商で10個入り600円だったので、1個あたり60円ということになる。
 
 
JPEG 300x200 17.4KB


プログラム端子

 基板上でプログラムを書き替えできるように、ピンソケットに0.5mmのメッキ銅線をU字に曲げたものを差し込んで おき、
 プログラムを書き込むときはそのU字線を引っこ抜いて、PIC側に書き込み信号線を差し込む。

 電源は電池を接続するところに接続する。

(PICは水色部品(パスコン)の下に隠れている。パスコンやピンソケットが大きく感じる。)
 
  PIKkit2と接続した状態。透明被覆付き0.5mm銅線にて接続。

JPEG 600x200 23.9KB

 
  プログラム書き込みソフト

 PIC10FXXXの場合、自動認識されないので、手動選択する必要がある。
 書き込む前は黄色いメッセージが出るが、書き込み後は黄緑色の成功メッセージに変わる。


GIF 540x400 17.6KB

   
  プログラム

 PICのプログラム… 【GEN_111.src】 (3.48KB)

 アセンブル後はこちら… 【GEN_111.hex】 (530B)

 今回10Fシリーズを初めて使用して、悩んだところが2つある。

 1つは"TRIS" "OPTION"のプログラムアドレスが無いこと。
 今までのように記述してもアセンブルエラーになる。
 なぜか" !(ビックリマーク) "で記述すると成功した。

 2つ目はスリープ後の動作。
 今まで使用した16FXXXや12FXXXは、スリープ目覚め後に、SLEEPの次の命令から実行されるのが、今回は電源をONにしたときと同じ様に、最初に戻ってリセット されてしまう。
 それを判定するためのビットがあったので、初期設定後に分岐させることで解決できた。


フローチャート



GIF 600x530 26.9KB


その他

・PIC10F200/202/204/206日本語データーシートがあったので助かった。

・命令種類は「こんだけー?」と思うくらい少ない。しかしそれで問題無し、わかりやすくて良いかもしれない。

・10F200のプログラムワード数は256までだけど、今回使用したのは80ワード程度だったので十分。

 
 
ケース

 
 
JPEG 300x225 12.1KB


 基板むき出しだとカッコウ悪いのと、埃防止としてケースを製作。

 大部分は1mmtアルミ板の曲げ加工。
 側板は4mmtのシナ合板。
 シナ合板には、模型飛行機用の黒色アイロンフィルムを貼り。

 cdsはケースに合わせて、少し高い位置に取付。

 上カバーはM3トラスネジで固定。
 
 
JPEG 300x225 16.3KB


 M3ネジのタップは" 転造タップ "を使用したので、ネジ山強度はまーまー安心 。

 基板は電池ケースの裏にエポキシ樹脂系弾性接着剤(セメダインEP001)で接着。

 電池ケースは、アルミ製のため、ショート防止に1mmtアクリル板(白色)を挟んだ。
 
 
JPEG 300x225 15.7KB


 側板は電池ケースにエポキシ樹脂系弾性接着剤(セメダインEP001)で接着。

 電池交換時は、写真の用にスライドして引き出せるようにした。
 
  電流チェック

 スリープ中(MPモーションセンサーは動作)の電池電流をテスター(METEX M-3850D)で測ってみた。
 テスターの内部抵抗を通っているので、あまり正確ではないと思うが、約31μAだった。
 十分な省電力だと思う。

 ちなみに、LEDは消灯で、PICが通常動作中の場合は、約250μAだった。
 スリープにならなければ、 0.00025[A]x24[h]x365[日]=2.19[A] となり、1年保たないことになる。

 はたして電池は1年持つのか???



設置その後

2008.04.17
 約2ヵ月経過、正常に点灯することを確認済み。

2008.05.17
 点灯しなくなったので、とりあえず電池を交換。取り外した電池の電圧を測ってみると0.8Vしかなかった。
 原因はまだ究明していない。

2008.12.07
 玄関フード内の温度不安定によるものか、よく分からないが、LEDが付きっぱなしになり、電池を消耗してしまう時が
 あるようだ。
 プログラムの点灯判定部を少し変更してみた。… 【  GEN_122.src 】 (3.57KB)

 アセンブル後のファイルはこちら。… 【 GEN_122.hex 】 (575B)

2010年 3月末
 その後、電池交換はしていないが、ちゃんと動作している。(約16ヶ月)

2010年10月末
 その後、電池交換はしていないが、ちゃんと動作していることを確認。(約23ヶ月)

2011年11月21日
 その後、電池交換はしていないが、ちゃんと動作していることを確認。(約35ヶ月)

2011年12月末
 点灯しなくなった。電池電圧を測ると0.9V未満に低下していた。とうとう電池切れになったようだ。
 約3年持った。

 
 
JPEG 300x300 22.2KB


 Cds風化?

 動作が変なので点検してみると、
 Cdsの表面が変!風化劣化したようだ。

 そーいえば、Cdsはジャンク袋に入っていたものを
 使用していた。

 今回は秋月電子通商の、
 GL5528 1MΩ (4個入り100円) を使用した。

 説明書には「樹脂密封型で高信頼」と書いてある。
 今度は大丈夫かな。

 2014年 1月 7日 修理。
 
                             
 
 
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